YAPPARI HIPHOP初LA紀行 ヒップホップ的観光スポット

L.A. HOOD LIFE TOURSに引き続き、LA滞在中に訪れて良かったYAPPARI HIPHOP的LAの観光スポットを3つご紹介したいと思います。カリフォルニア・アフリカン・アメリカン・ミュージアムというミュージアム、レイマート・パークというエリアとデリシャス・ピザになるのですが、まず1つ目は、カリフォルニア・アフリカン・アメリカン・ミュージアム!アフリカ系アメリカ人のアーティストによる作品だけを集めたミュージアムで、入場料無料です。ダウンタウンからはエクスポラインという電車でExpo Park/USC駅で下車して徒歩10分ぐらいで行けます。

訪れた日には、1992年に起こったロサンゼルス暴動から今年が25年!ということで「No Justice, No Peace: LA 1992」という気になる展示に加えて、4つぐらいの展示部屋でアートや映像フィルムの展示も行われていました。

 

最初に入った展示部屋では、「Race Film」と呼ばれるハリウッド映画ジャンルに登場するアフリカン・アメリカンの女性像にフォーカスした展示が行われていました。ハリウッド映画の黄金期の1910年〜1950年にかけて、アフリカン・アメリカンの人々用に制作されたアフリカン・アメリカンの俳優が出演する「Race Film」という映画ジャンルが生まれたそうです。映画の歴史の中では忘れられている作品が多いそうなのですが、「Within Our Gates」、「By Right of Birth」、「The Scar of Shame」「The Blood of Jesus」という4つのサイレント映画が上映されていました。じっくり観たいところですが、時間もないので「No Justice, No Peace: LA 1992」の展示部屋へ!

まずは『Trouble Everyday LA 1965/1992』という展示の説明を読んでみます。「アメリカでアフリカン・アメリカンの人々が体験する事情に必要不可欠なのが音楽です。例えば、公民権運動のドキュメンタリーでは、当時の重要なアルバムやコンサート映像で当時の体験を強調しています。多くの人々がジャズ、R&Bやヒップホップを聴いてアフリカン・アメリカンの歴史を学んでいます。1965年のワッツ暴動や1992年のLA暴動の争いや怒りのさなか、ラジオをつけるとホレス・タップコット、サム・クック、エレーヌ・ブラウン、チャールズ・ライト、そして、後にはアイス・キューブやトゥパックなどアフリカン・アメリカンのミュージシャン達の音楽が流れていました。』ということで、フランク・ザッパが1965年に、ワッツ暴動に対してエコー・パークで書いた曲「Trouble Everyday」を引用して「Trouble Everyday LA」というミックステープ?のトラックリストが書かれておりました。ちなみに最近の更新は2008年リリースのフライング・ロータスの「Riots」でした。

中央には、80年〜90年代のLAの黒人家庭の伝統的な家のリヴィングルームを再現したお部屋があり、テレビには1992年に起こったLA暴動の実際のニュース映像が流れていました。まだYoutubeやFacebookといったウェブが無い時代に、自宅のリヴィングルームで、テレビのニュース速報で燃えている家、破壊されている街の様子を見て「暴動」を体験していたということを表現しているようでした。部屋には当時の黒人ファッション紙や家族写真などに加え、N.W.AやYoYoのカセット・テープ、ワッツ暴動から7年後の1972年に、ワッツ地区の人々を称えるためにスタックス・レコードが開催したコンサート、「ワッツタックス」(Wattstax)のレコードが置いてありました。そこのソファに座って自分が当時のLAに住んでいる黒人女性と想像して、当時の気分を味わってみました。ここで分かってしまったんですね! N.W.AやYo Yoのカセット・テープの置いてる位置で、ヒップホップってコレだ!と。毎日、暴動のニュースをTVで目にして、「近所では暴動起きてて燃えてるし、友達や従兄弟とか家族が意味なく警察に逮捕されるし、クソッ!」って環境であれば、「Fuck The Police」という曲も生まれるのも当然なのかなと。頭では分かっているんですけど、日常生活と密接なヒップホップの距離感が実感できた気がしました。

隣の大部屋に移ると、LAのサウス・ロサンジェルス(サウス・セントラル)という土地の成り立ちから始まり、ワッツ暴動以前のズート・スーツ暴動や、LAPDの警察からの嫌がらせ絡みの事件の数々、クラック・コカイン蔓延によるギャングの台頭やロドニー・キング事件などなどLAの黒人の歴史をたんまり細かく勉強することができました。

最後にはLAPD車両まで登場しまして、ケンドリック・ラマーのBETのパフォーマンスやビヨンセの「Formation」のミュージックビデオを思い出したのでした。最後には展示を観たあとの感想を書くスペースがあり、沢山のコメントがありました。時期によって展示内容は変わりますが、オススメのミュージアムです。


アフリカン・アメリカン博物館
https://caamuseum.org/
600 State Dr, Los Angeles, CA 90037

2つ目のオススメは、レイマート・パークという黒人居住エリアです。英語では「レマート・パーク」と発音されますが、日本のカタカナ表記ではレイマート・パークと表記されるようです。ここは近くに電車が通ってなく、UBERで行きました。古くからLAのアフリカン・アメリカンの文化・音楽の中心エリアとして、サム・クック、レイ・チャールズ、エラ・フィッツジェラルド、トム・ブラッドリー(LAXのターミナル名にもなっており、73年から1993年まで5期にわたってロサンゼルス市長を務めた)が住んでいた地域だそうです。ヒップホップ視点から説明しますと、90年代にプロジェクト・ブロウドのオープン・マイクが開催されていたグッド・ライフ・カフェがあったエリア!プロジェクト・ブロウドのフリースタイルで頭角を現した西海岸アンダーグラウンドのフリースタイル・フェローシップやアブストラクト・ルード(Abstract Rude)、ジュラシック5(Jurassic 5)、 チャーリー・ツナ(Chali2na)、女性MCのメデューサ(Medusa)などLAアングラヒップホップ好きなら雰囲気を味わいに行かねば!と思い行ってみました。

レイマート・パーク・プラザという広場に到着すると、広場自体がとてもアフリカンな雰囲気で、NYのハーレムを思わせる街でした。公園では、白の民族衣装!?を着た仙人のような黒人男性2人組がずっと瞑想をしていたり、他のLAのエリアとは異なる独特の雰囲気があります。週末は広場でアフリカン・ドラムの演奏をしてたりして凄く良いわよと聞いていた場所ですが、行ったのは平日の昼。人通りも少なく閑散としていましたが、せっかく来たのに何もしないのはもったいないと思い、通りすがりの黒人のおばさんに色々と聞いてみたところ、土地開発の影響でアートギャラリーや街のお店がどんどん閉店しているそうです。(調べたら2019年にレイマート・パーク駅が完成予定。)「あっち側の道にお店が何軒かあるから今ならショッピングぐらいはできるかも!」というおばさんからの情報を元に街を散策!アフリカの民族衣装や、エッセンシャル・オイル、本や雑貨など、とてもアフロセントリックなお店がありました。お店に入って物色していると、さすがLAということで、ブラック・パンサー党のヒューイ・P・ニュートンやボビー・シールの缶バッジが!このお店のインセンスのコーナーでは、何故か日本の「毎日香」にも出会いました。近場で見つけたジャマイカン・レストランAckee Bambooでサンドイッチを購入!公園で食べようと思い、引き続き、街を散策していると、どこからかドラムの音が!ドラムの鳴る方へ向かってみると、ザ・ワールド・ステージ(The World Stage)というスポットを発見!ひたすらドラムの練習音が聞こえて来てきました。帰国して調べてみると、なんとココはジャズ・ドラマー、ビリー・ヒギンス創設のアート・スペースで、カマシ・ワシントンが「ザ・ワールド・ステージが全てだった(The World Stage was everything)」と語るほど、カマシが10代から通いアレコレ音楽を学んだスポットでした。カマシ・ワシントンみたいな人をLAのダウンタウンでは見かけませんし、ド派手なアフリカン民族衣装のような装いのミュージシャン達は一体LAのどこに生息しているのか?と思っていましたが、このレイマート・パークの雰囲気だったら向かいから歩いて来ても全く違和感ないです。そんなザ・ワールド・ステージの隣にある本屋、Eso Won Bookという本屋も黒人経営のお店で、黒人文化、歴史やアート関係書籍のセレクトが素晴らしかったです。黒人経営の本屋は、黒人の文化や歴史、宗教、小説、子供用の絵本など文化を深く探るには、もってこいでオススメです。


周辺を歩いていると、どこかで見たことのある壁画アートを見つけ、なんだっけ?と思っていたら、テラス・マーティンの『Velvet Portraits』のカバーアート写真のところでした。

これは間違いない!と確信し、公園でジャーク・チキン・サンドイッチ食べていると、タンバリンの音と奇声が聞こえてきまして、なにかと思ったら近所の年配のオジサン、オバサンと思われる集団が終始楽しそうにジェームス・ブラウンの音楽を流して激しく騒いでいました。昼間からパーティって素敵ですね。

 

以前、西海岸ヒップホップの歴史をリサーチしておりましたが、西海岸ヒップホップとして発展するパーティ・シーンが始まった最も重要なクラブとして出てくるマヴェリックス・フラット(The Maverick’s Flat)もレイマート・パークにありました。マヴェリックス・フラットのあるクレンショウ・ブールバードの通りは、1960年代から黒人経営のビジネスの中心エリアで、2ブロック圏内にブルース、レゲエ、リズム&ブルースなど10件ぐらいのナイトクラブがあったそうです。マヴェリックス・フラットは、西海岸のアポロ・シアターとも呼ばれている歴史的なナイトクラブで、1966年にテンプテーションズをオープニング・アクトに迎え開業してからというもの、1960年代~1980年代のソウル、ジャズ、ファンク、R&Bのアーティストは誰もがここでパフォーマンスをしていたという場所です。古くはデューク・エリントン、マイルス・デイヴィス、レイ・チャールズ、リチャード・プライヤー、ナット・キング・コールなどなどがここでパフォームしていたそうです。そんなマヴェリックス・フラットは2016年に改装され売りに出されてリニューアル・オープンしたものの、現在は、閉店。マヴェリックス・フラットからクレンショウ・ブールバードを北に進むと、L.A. HOOD LIFE TOURSで立ち寄ったリカー・バンク(LIQUAR BANK)もありました。当時のミュージシャン達も昔はリカー・バンクでお酒を調達していたのかな!?と、ちょっとした歴史ロマンに浸れます。ちなみに、テラス・マーティンのアルバム『Velvet Portraits』の中ジャケには、マヴェリックス・フラットの外観写真、ザ・ワールド・ステージ前で撮影した写真も掲載されていて、テラス・マーティンは、クレンショウのエッセンス120%で、この土地の文化や歴史に敬意を払いながら継承していきたいんだなという心意気を感じました。日本ではHULUで放映されているイッサ・ラエ(ISSA RAE)の『INSECURE』という海外ドラマでも、イッサの勤務先がレイマート・パークにあるアート・ギャラリー(レンタルで売りに出されてた)だったり、ダニエルと再会してステージでラップをかましたスポットがマヴェリックス・フラットです。時間がなく長居できなかったのですが、次回はレイマート・パークに滞在したいなと思うくらいオススメの素敵なエリアです。

レイマート・パークに行ったあと、友人と合流するためにクレンショウ駅まで行き、友人に「何かあると怖いからどっかお店入って待ってて」と伝えて指定されて向かった先がクレンショウ駅近くのローカルな商店だったのですが、帰国後にグッド・ライフ・カフェのあった住所を調べると、この商店のすぐ近くにあったようで、90年代に是非来たかったです。

 
3件目は、「デリシャス・ピザ」です。LAの老舗レコードレーベル、デリシャス・ヴァイナル(Delicious Vinyl)の創設者、マイク・ロスさん、マイクさんの兄弟、リック・ロスさんが、フレッド・サザーランド、トラヴィス・サザーランドの父子デュオと共に2015年にオープンしたヒップホップ・ピザ屋さんです。デリシャス・ヴァイナルといえば、トーン・ロック(Tone-Loc)の『Wild Thing』(1989)、グラミー賞のベストラップパフォーマンス賞を獲得したヤングMC(Young MC)『Bust A Move』、ザ・ファーサイドやマスタ・エースのアルバム、最近では故J Dillaの実弟であるイラJが作品をリリースしている老舗レーベルです。筆者の中では、”東のファット・ビーツ、西のデリシャス・ヴァイナル”という構図のデリシャス・ヴァイナルのデリシャス・ピザが結構美味しい!という噂を聞きつけ住所を調べていたところ、ちょうどスプライトの夏キャンペーン、「SummerSprite」とComplex絡みのイベントが行われており、2017年の夏キャンペーンにフィーチャーされているヴィンス・ステイプルズ(Vince Staples)やカマイヤ(Kamaiyah)が無料ライブを行うということでUberで行ってみました。

平日の午後にどこから湧いてきたのか分からないお洒落な若者たちが集まっていました。デリシャス・ピザの中庭?の屋外には特設ステージが設営されており、さすがスプライトのイベントということで、スプライトとデリシャス・ピザが無料で配られていました。さっそくピザを食べたのですが、噂とおり、ここのピザ凄く美味しいです!

 

続いて、店内に飾られてあるレコードのアルバム・ジャケットや新聞記事を拝見!ピザを入れるボックスもお土産に欲しいなと思い店員さんに話かけてみると、ヒップホップ好きだとわかってくれたようで、ピザ箱も売ってるよ!Tシャツもあるよ!瓶ボトルのコーヒーもあるよ!と親切に説明いただき至れり尽くせりでした。店舗には、ラジオ・スタジオも併設されており、滞在中にもFRANK KNITTがスタジオでラジオ収録しに来ていたりと、なにかと色々なイベントが開催されているのでヒップホップ好きには要チェックのピザ屋です。ベイエリアはオークランドをレペゼンするカマイヤのライブはベースゴリゴリで素晴らしく、オークランドの風を感じました。この日の夜にケンドリック・ラマーのDAAM TOURのステイプルズ・センターでのコンサートに行ったのですが、そこの前座でパフォームする予定のD.R.A.Mも出てきまして、踊ってターナップする感じはD.R.A.Mが完全にもっていってました。ステージ上のD.R.A.Mそっちのけで気持ち良さそうに踊るオーディエンスと、そんな人々をムーヴさせて踊らすD.R.A.M良かったですね〜!


COMPLEXのヴィンス・ステイプルズのQ&Aコーナーはこんな感じでした。

 
そんな素敵なデリシャス・ピザなのですが、先日2号店がハリウッドにオープンしたそうで、リル・ヨッティのポップ・アップが行われており、今後もヒップホップ好きにはオススメのピザ屋さんです。


Delicious Pizza
http://deliciouspizza.com/
ウェスト・アダムス店 5419 W Adams Blvd, Los Angeles, CA 90016
ハリウッド店 6601 Sunset Blvd, Los Angeles, CA 90028

ということで、チャイニーズ・シアターなど有名どころから、あの巨大なドーナッツのあるドーナッツ屋など、他にも行ってみたいスポットは沢山あったのですが、自分で実際に行ってみて良かった観光スポットのご紹介でした。皆さんも、興味がありましたら是非行ってみてください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です