Dday One インタビュー

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筆者が某レコード屋でDdayOneを試聴し、鳥肌が立ってCD即購入したのが2006年末。その後、Myspace経由で本人に直接『Loop Extensions』のバイナル盤リリースの切望リクエストをしてレコード手に入れたのが2007年。2009年には初来日!そして、2011年、このような形でインタビューできる日が来るとは全く想像していませんでしたが、11月2日にドープなニューアルバム『Mood Algorithms』をリリースしたLA在住のビートメイカー/クレイト・ディガーであるDday OneにYAPPARI HIPHOP突撃インタビュー!

– 最新アルバムについて教えて下さい。

1999年に、ターンテーブル1台、ミキサー1台そしてサンプラー1台のみで製作した100%サンプリンングが基本の、俺のアンオフィシャル・デビュー音源だ。当時、カセットテープで20本くらいロサンジェルス界隈に出回った程度なんだ。今まで正式にリリースしたことがなくて、今になってリリースしたいと思ったんだけど、オリジナル音源が手元に無かったんだ。そして、昨年自分のスタジオを移動して再建していた時に、大量のカセットの中から、偶然生き残りのテープを見つけて、6ヶ月という歳月をかけて音源をデジタル化して、復元した作品さ。

– 『Mood Algorithms』というタイトルは?

それぞれのサンプル音源が持っているムードやフィーリングを色として表現するというアイデアからきている。サウンドがムードや色の連鎖を表現していて、英アーティストのオリバー・カートライトによるカバーアートでも視覚的に表現されている。

– ところで、ビート制作はどういった経緯で始めたのですか?

初期は、機材やレコードを何も持っていなかった。幸い、父親がクラブ兼レストランのオーナーで、週末になると、DJがターンテーブルを置いて行ってくれて、俺はその機材で練習を始めた。学校帰りや週末に、兄貴と兄貴の友達と一緒にレコードを買いに出かけたりした。兄貴の仲間がビートを作っていて、そこでビート制作というものを知ったんだ。父親の店に置いてあったミキサーが3秒サンプリングできる機能があると発見して、レコードで実験し始めた。サンプリング機能を発見した時は、超興奮した!レコードを集め始めて、ターンテーブルで練習し始めてしばらくして、自分でサンプラーを買ったんだ。もっと細かくサウンドを操れる機材が必要だと思ったから。音楽を聴き始めて、DJをやりだして、音楽制作を始めたことは、とても自然な流れだった。

– 音楽制作にとって1番大きなインスピレーションは何ですか?

1番のインスピレーションは、日々の生活の中の経験の集積だと思う。アーティストで言えば、エレクトロニック音楽やヒップホップ・クラシックス作品の全てのパイオニア達だけど、アーティストの名前を挙げるには多すぎるね。

– 素晴らしいビートを作るために、ビートメイカーに一番重要な要素は何だと思いますか?

個人的な意見だけど、「アート」と「ハート(心)」のバランスが重要な要素だと思うんだ。「アート」は、自分の機材の知識を知っていること、そしてビート制作や音楽制作の進化や歴史を学んでいること。そして、「ハート」は実験を恐れずにいること、楽しむことと、直感やフィールングを大事にすること。言いかえれば「テクニカルなソウル」だね。

– レコードを「掘る」一番の魅力は何ですか?

「驚き」だね。(笑)

– あなたが生きている間に「パーフェクトなビート」(完璧なビート)は見つかると思いますか?

見つからないことを願っているよ。でも、完璧さの追求はとても重要な事で、人間の成長に効果的だし、人生の全ての分野で色々と模索するモチベーションになっている。目標は持っておくべきだ。(笑)

– 前回の来日時には、日本のMC、Nippsを知っていたり、Lamp Eyeの「証言」をプレイしていて、日本のヒップホップもよく知っていてビックリしたのですが、日本の好きなミュージシャンはいますか?

Nippsはハーコーだね。彼のフローや、彼がラップしているビートは好き。自分でレコードを集めるようになってから、日本のレコードも買っているよ。ロサンジェルス界隈のレコード屋では「尺八音楽」というような日本の伝統音楽のレコードをよく見つけたね。他には、日野皓正、冨田勲や浅川マキとか。

-日本のヒップホップに関してはどうやって知ったんですか?

1994年にレコード屋で日本人の留学生に出会ったのがきっかけで知り始めたんだ。彼はレコ屋で自作のCDを売っていて、彼のCDを買ったんだ。内容はDJ KrushやMuro、ロンドンのMoWaxの音源だった。当時、インターネットはそんなに普及していなかったし、雑誌の多くはアメリカ以外のヒップホップを扱っていなかったから、この出会いは本当に素晴らしかったよ。その日から、ヒップホップをグローバルなシーンとして意識するようになった。

– 最近注目している日本のビートメイカ―はいますか?

ベルリンのProject Mooncircle企画の日本の東北震災復興支援のコンピレーションをよく聴いている。コンピレーションにはInner Science、 Budamunk、 DJ Mitsu the Beats、 Monkey sequence、 A.Zといった才能あるアーティストがたくさん参加している。

– 日本のファンへメッセージをお願いします。

いつもサポートとラブをありがとう。皆からのパワーが完璧なビートへの原動力になっている。また皆に会えるといいね。YAPPARIHIPHOPクルーにビガップ!

– ありがとうございました!
[2010/11/某日 インタビュー&翻訳 by AKKEE ]

Special Thanks to P-Vine Records


Dday One
ロサンジェルス出身のターンテーブリストであり、ビート・メイカー。自身をサンプリストと名乗るほど、サンプリングにこだわったプロダクションが特徴。過去にはグラフィティ・アートも手がけていたという。90 年代の前半、若干11 歳の頃からロサンジェルスのレコード・ストアやリサイクル・ショップに通い始め、取り憑かれたかのようにアナログレコードの蒐集を始めた。まだサンプラー を所有していない頃からターンテーブルの針をループ・ポイントに落とす”ドロッピング・ザ・ニードル”という技を駆使し、カセット・デッキに思い通りのサ ンプルを重ねてビートを作っていた。数年かけて集めた膨大な枚数のレコードと、このころ培った制作方法を経て、今ではサンプラーのシーケンス機能をフル活 用しディーデイ・ワンの音楽への強い愛情が溢れたビートは世界的に注目されるようになった。2005 年には自身初となるアルバム『Loop Extensions』をアナログでリリース(その後CD も発売)。地元ロサンジェルスのアンダーグラウンドで話題となり、買い逃した元ジュラシック5 のカット・ケミストが本人にコンタクトを取り、ようやく手に入れたという逸話もある。2008 年にはセカンド・アルバム『ヘヴィ・マイグレイション』 を発表。日本盤でもリリースされ初来日を果たす。

Official Site:www.ddayone.com
fansite:http://www.facebook.com/ddayone

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