昨年から急激にハマりファンになってしまったオーストラリア出身のバンド、Hiatus Kaiyote(ハイエイタス・カイヨーテ)!最新作『Choose Your Weapon』がとても素晴らしかったので普通にご紹介しようと思ってましたが、書いてるうちに長文になってしまったので、まさかのHiatus Kaiyote特集でございます。


というのも、この手の音楽に反応するであろう筆者周りの音楽好き(主にヒップホップ)の反応が鈍かったこともあり、YAPPARI HIPHOPをご覧頂いている皆様にも、この無限の独創性と創造性に満ち溢れた素敵かつドープなバンドをご紹介したく「ヒップホップ好きから観たHiatus Kaiyoteの魅力」を語ってみました。


まず、Hiatus Kaiyoteの名前をちょくちょく聞きだしたのが数年前、Melo-Xと共に来日したJasmine Solanoがとにかく興奮しながら「Hiatus Kaiyote超ヤバいわよ!」と激推し。Youtubeで「Nakamarra」のミュージックビデオをチェックしたり、Erykah BaduやPrinceが激推しという話を耳にしてもハマりませんでした。数ヶ月経ち、デトロイトのAndres a.k.a. DJ Dezの来日パーティで「Nakamarra」が流れていた時に「あ!イイ!」と気づきました。そして、ライブ映像を観てようやくHiatus Kaiyoteにハマります。個人的にはアルバムに収録された楽曲よりライブ演奏が、とてもドープです。それからというもの、『Tawk Tomahawk 』(2012)、『Choose Your Weapon』(2015)ともに、見事にヘビー・ローテーション。直球で迫らずジワジワくるHiatus Kaiyoteでございました。ジワジワきすぎて存在を知ってからハマるまで1年ぐらいかかっているような気がします。


ネオ・ソウル/フューチャー・ソウルという枠でCDショップなどでは割りかしブラック方面のコーナーにCDが置いてあるHiatus Kaiyoteですが、彼らは自身の音楽を「多次元でポリリズムなギャングスタ・シット」(Multi-dimensional Polyrthymic Gangster Shit)と呼んでいます。ジャズ、各地の民族音楽から始まり、ヒップホップやドラムン・ベースなどのダンスミュージックなど多様な音楽要素を含んだハイブリッドなサウンドで、特定の音楽ジャンル限定で語られてしまうのはもったいないほどです。このような音楽が自然と出来上がってしまう制作スタイルやイカツさは確かにギャングスタ・シットだと思います。

Nasやthe Fugees、Amy Winehouse、Miguelなど数々の名盤に絡んでいる敏腕プロデューサー、サラーム・レミのレーベル、フライング・ブッダ(Flying Buddha)からデビューということもあり、サラーム・レミの力添えでブラック・ミュージック・サイドの絡みが多く見受けられるのかと思いましたが、彼らの唯一無二なサウンドと独創性が人々を惹き付けているのだと思われます。ヴォーカルのNai Palm(ナイ・パーム/ヴォーカル)は、幼い頃からStevie Wonderを聴いて多大な影響を受けていたり、メンバー皆A Tribe Called Quest経由でJ Dillaやヒップホップが大好きだったり、西アフリカ、特にマリ共和国の音楽やエレクトリック・ミュージックを聴いていたといった音楽的バックグラウンドも面白いです。

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※画像クリックで拡大されます。
Hiatus Kaiyoteのインスタグラムでは、ヒップホップ好きには馴染みの深いアーティストの出没頻度が非常に高いです。濃いところでは、まさかのJean Grae!Pharoahe Monch、J DillaのママMaDukesやShafiq Husayn、UKのFatima、「Suite For Madukes」でお馴染みのMiguel Atwood-Ferguson、MADLIB、Jesse Boykins IIIなどなどYAPPARI HIPHOP的にツボるアーティストばかりでございます。Erykah Badu、QuestloveやDJ Jazzy Jeffからは「大好きだぜ〜」といったコメントなどミュージシャンに愛されてるミュージシャンかもしれませんね。

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今年に入って、話題のChance The RapperがHiatus Kaiyote最新アルバム『Choose Your Weapon』から「Finger Prints」をサンプリングした楽曲をドロップしました。(どこをどうサンプリングしたのか実際のところ何度聴いても分からないのですが…)TwitterではChance The RapperがHiatus Kaiyoteとのコラボレーションを示唆する内容のツイートがありましたので、今度ドロップされるかもしれません。


また、DJ Spinnaは『Choose Your Weapon』から「Breathing Underwater」のリミックスを発表!こちらのギャラクティック・ソウル・リミックスもとても良い感じです!


皆様に是非観て頂きたいのが、コチラの2015年のSXSW のOKAY HOUSEでのライブ映像!「The World It Softly Lulls」のライブなのですが、3:00〜からのアレンジが凄まじくドープでございます。曲展開のピークを迎えた後の抜きのメロウなパートも最高です。Nai Palmが踊りまくってますが、私も是非踊りたい次第です。


ここで、筆者が初期にハマった楽曲「Mobius Streak」をどうぞ!これを聴いてる時に踊ってしまうのが、サウスのノリですね。とても雑な言い方ですが、サウスのヒップホップのバウンス要素を弱めたエッサホイサとジャズとのオーガニックな融合とでもいいましょうか。この表現は伝わらなくても、曲の素晴らしさを感じてもらえたら最高です。
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https://twitter.com/HiatusKaiyote
http://hiatuskaiyote.com/

ヒップホップ好き視線で興奮度が高いポイントは、やはりHiatus Kaiyoteの変則ビートと曲の展開です。常に同じビートのループではないので若干踊りづらいのですが、気づくといわゆるサウスのトラップ楽曲をクラブで聴いている時と同じ動きでノっていることが多いです。近年の米ヒップホップシーンでBPMがどんどん低下し、それを倍速でとって踊るスタイルを自然とやってのけていますが、Hiatus Kaiyoteも160BPM or 80BPMのような、どっちでもとれるビートで、そこが入りやすいポイントかもしれません。というのも、リズムを刻んでいるドラムのペギーことPerrin Moss(ペリン・モス/ドラムス)は元々ヒップホップのプロデューサーだそうで、カナリのヒップホップ好きです。インスタグラムに上がっているMadlibとPharoahe Monchとのツーショット写真は、どちらともペギーさんです。

キーボードのSimon Mavin(サイモン・マーヴィン/キーボード)も見所満載ですね。美しいメロディを奏でたかと思えば、打楽器のようにキーボード叩いてたり、ライブでは平静を装ってキーボードを弾いているように見えますが、彼の演奏や弾き方にしてもヒップホップのビートメイカーやプロデューサーによく見られる繊細かつオタク気質が垣間見れます。

そして、Nai Palmは、口ずさむ言葉のリズムが凄く変則的で魅力的です。Kendrick Lamarがヒップホップ界に登場してからというもの、ラップのハードルを今までになく引き上げ、単語や小節間で複雑に構成された音節を駆使したラップ・スキルに唖然させられますが、Nai Palmも通常の単語の発音や音節をブチ切って歌ったりスピットしているスタイルで、普段からラップを聴いてる層には聴いてるだけで面白いです。そこで切るのか!?と、あそこまで単語をブチ切ってスピットされますと、音として聴いてしまうので、始めはほとんど歌詞が入ってこないのですが、歌詞もオーガニックで美しい限りでございます。

Paul Bender(ポール・ベンダー/ベース)とSimon Mavinは学校で音楽を学び、Nai PalmとPerrin Mossは全て独学だそうですが、メンバーの皆さん、それぞれの方法でポリリズムや変拍子といったリズムを習得したようで、それぞれの楽器や声で刻まれるリズムやビートとして聴いてみると、小節単位で多様かつクソドープ(fucking dope)なビートが展開されているので、そこにハマるとイチコロです。

この手のサウンドにハマりそうな筆者周りの友人達が「ライブ映像見たけど、あんまり…」といった感想を聞いていると、一部の音楽好きにとっては、おそらく「スルメ(=噛めば噛むほど味がでる/ジワジワハマる)音楽」なのではないかと思っています。バンド名『Hiatus Kaiyote(ハイエイタス・カイヨーテ)』が発音もよく分からず覚えにくい、Nai Palmのハイレベルな外見で「何だコレは!?」と思ってしまう、Nai Palmのオペラ調の特徴のある声や歌い方に多少抵抗を感じるなど、ハードルが高いのが正直なところです。しかし!そのポイントを飛び越え、一旦どこかの拍子でツボをつかれると”ド”がつくほどハマります。

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ブルーノートジャズ・フェスティバル・イン・ジャパン
開催日:9月27日(日)
時間:開場 12:00 開演 13:00 終演 20:30
会場:横浜赤レンガ野外特設ステージ
http://bluenotejazzfestival.jp/

ここで言っておきたいのが、9月に来日するから取り急ぎライブを是非観て!です。直球でヒットせずに聴けば聴くほどジワジワ攻めてくるので、早速アルバムを買って強制的にジワジワくるのを始めてみるか、取りあえずライブだけ足を運んでみてはいかがでしょうか!?というよりも、ドープだから観ておいた方がイイ!です。日本絡みのポイントとしましては、「Mobius Streak」という曲の「Origami birds flock from my heart. Burst out in color to wherever you are」というラインで「オリガミ・バーズ」(鶴のオリガミ)が出てきたり、「laputa」(ラピュタ)という曲は、紙にペンが走る音で始まる宮崎駿監督へのトリビュート曲であったり日本からインスピレーションを得たと思われるTシャツデザインなど日本好きであることは間違いありません。

ということで、Mother Fucking “Hiatus Kaiyote”を皆さんも是非チェックしてみてください!

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