最近、日本の企業によって発売された『うーふとむーふ』という子供向けのキャラクター商品をご存知ですか?私は、この商品の存在自体を知りませんでしたが、アメリカの黒人の友人達は、これに対し呆れながらも憤慨しています。日本人の私たちは、この商品が象徴している意味が明確に分からないけれど、過去に「ちびくろサンボ」の件もあったし、何かあるなと感じるくらいかもしれません。

とりあえず、何にでも疑問を持って考えてみることは大事!ということで、この「うーふとむーふ」のイメージが、アメリカの黒人の人々にとって、どんな意味を持っているのか、探ってみましょう!


これらの写真は、アメリカの昔の「ミンストレル・ショー」という大衆芸能の写真やポスターなどのイメージです。この黒人キャラクターのイメージ、そして「うーふとむーふ」のイメージの特徴が全く同じですね。「肌が真っ黒」「大きな目」「赤で強調された分厚い唇」という、このイメージはどんな時代に、誰によって作られ、どんな意味を持つのか?「ミンストレル・ショー」とは一体!?

「ミンストレル・ショー」は1830年代からアメリカで始まり、白人の芸人が顔を黒塗りにし、ステージで歌やダンス、寸劇などをして黒人の物真似をし風刺するアメリカの大衆芸能です。この白人によるブラックフェイス・パフォーマンスは、タップダンス、ジャズなどアメリカのエンターテイメントのルーツとされています。

その一方で、アメリカ黒人に対するステレオタイプなイメージ原型を作り上げ、アメリカの黒人像を形成するのに強力な役割を果たしたとも言われています。つまり、奴隷制が合法だった当時の白人の人種的ステレオタイプを含む黒人に対するイメージが反映されていると思われます。それは、いまでも影響を与えてます。こちらのWikipediaでミンストレル・ショーの歴史やパフォーマンスの描写がありますが、現代を生きる私個人的にはグロテスクで悪趣味としか言いようがない内容です。


ジム・クロウ・ミュージアムの映像
(途中、出てくる7人の黒人の赤ちゃんの絵画のタイトルは「ワニの餌」です。なんとまぁ。)

公民権運動以前の「ミンストレル・ショー」に関する書物は、アメリカのエンターテイメントのルーツということもあり、鮮やかに描かれてるものが多かったようですが、時代も変わり、人種差別との関連性が指摘されはじめ、描かれ方も変わりました。時代によって様々な視点から歴史が再検証されて行くと思います。しかし、少なくともアメリカ黒人の人々にとって、このイメージの象徴は「人種差別的」であることは間違いないし、程度は異なれど、確実にネガティブな反応が返ってくると思います。

今回、個人的に深く考えてみて気づいたことは、人種的なイメージに限らず、何に対してもこのような偏った先入観やイメージはマスメディア等から影響され、日常の複雑で多量な情報を処理する時に、知らず知らずのうちに自分で用いてしまっていること。そして、自覚がないまま日々の生活の中で自分の態度や行動に反映されているということ。悪意はなくとも、こういった態度や行動が、時には他人を傷つけたり、不快に思わせていることがあるかもなと思いました。

政治的な意見をあれこれ言うつもりはないですが、少なくともヒップホップ世代な私たちは、疑問に思って、自分に身近な事として感じて、色々知って考えるきっかけになればと思い、あえて取り上げてみました。

こちらのSEEDAさんのブログ記事「ケアレス この常識は世界の非常識です」や、ハイイロ・デ・ロッシのインタヴュー 「ヒップホップ・アゲインスト・レイシズム」by ele-kingも合わせてどうぞ!

※「ちびくろさんぼ」やこの記事に関して、こうなのだ!という意見ではありません。色々と複雑ですので、この記事以外にも自分で色々調べてみて下さい。
※ This content is NOT to promote racism or racial stereotypes.

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