YAPPARI HIPHOP ニューヨーク紀行2019

YAPPARI HIPHOP ニューヨーク紀行2019

YAPPARI HIPHOPのAKKEEです。10月にニューヨークにも遊びに行って来ました。単に有休をとって遊びに行っただけなのですが、ニューヨークでもなかなかのヒップホップ三昧で、Robert Glasper Trio + Yasiin Bey@ブルーノートNY、現地で話題のパーティ:Soul In The Horn、Q-Tip所有の現代アートコレクション一般公開の模様をお届けします。

10/3(木)1st set&10/5(土)2nd set :
Robert Glasper Trio + Yasiin Bey@Blue Note New York

Robert Glasperが10月のまるまる1ヶ月間、Blue Noteニューヨークのレジデントをつとめており、初日から行われていたRobert Glasper Trio + Yasiin Beyのライブを2回観てきました。初日の客層はジャズファンが中心で、相席した60代のおじ様おば様グループも「パット・メセニー大好きなの!」というジャズ好きでした。ラッパーが多数参加していたRobert Glasperの新作『Fuck Ya Feelings』リリース直後でYasiin Beyもいるということで、このおじ様おば様グループはついていけるのかしら?と心配していたところ、案の定ヒップホップ方面に振り切ったライブで、Yasiin Beyがラップを始めたとたんポカーンとし始めたジャズファンのオーディエンス。「Keep It Gangsta」のTシャツを着用し新しく右腕に彫ったFuck Ya Feelingsタトゥを見せびらかしているRobert Glasperは、そんな空気に気づいたのかインプロでジャズ名盤のメロディラインを大量にブッこんで会場を沸かせ大盛り上がり!さすが大人気ミュージシャンだけあって芸が細かい!と感心しました。

Yasiin Beyをフィーチャーした新曲「Treal」では「この瞬間がたまらないんだ〜!」とYasiin Beyの興奮度がマックスに達し、そんな姿に感極まって「フォ〜!」と両手を挙げ万歳てしまったヒップホップ好きの筆者ですが、この日はそれだけでは終わらず!

当日誕生日を迎えたTalib Kweliがサラッと登場し、サラッとBlack Star復活! Yasiin BeyやTalib Kweliを聴いてきたヒップホップ世代にとっては、本来非常に感慨深いであろう2人のタッグ復活がサラッと実現しました。そして、Robert Glasperバンドの演奏でSlum Villageの名曲「Look Of Love」をやるという奇跡が起こりました。Yasiin BeyとSlum Village大ファンの筆者は涙でウルウルしながら興奮と感動で訳が分からなくなるぐらい最高のライブとなりました。Yasiin Beyは「携帯をこっちに向けないで、今この瞬間をエンジョイしてくれ!」とステージに携帯を向けている客を見つけては、指を差して「エイエイ!そこの君!」と20回以上注意していました。「ゾーンにエンゲージしろ!」(今この瞬間を生きろ!と解釈)という Yasiin Beyの言葉ひとつひとつが人間愛に溢れており、Mos Defは永遠にヒップホップ・ヘッズの心の友だと改めて思いました。

2回目のライブは、週末の土曜の2nd setに訪れました。会場外での待ち時間にはニューヨークのラジオホスト、Ebroが娘と一緒にいるのを目撃したり「ワッターファック!80ドルも払ってこんなに待たせて、金返せって感じよね〜!」という黒人のオバちゃんのイライラ罵声を何度も聞きながら、予定の開場時刻から40分おしで中に入りました。相席になったお客さんは「生きてるんだか、何してるんだか謎に満ち溢れているYasiin Beyを自分の目で確かめにきたのよ」というYasiin Beyファンの黒人女性と、ジャズ好きの20代の若者グループで初日とはまた違った雰囲気でした。ライブ後半にはBilalとThe RootsのBlack Thoughtが登場!Black Thoughtが長々とフリースタイル・ラップをキメ、初めて生で聴くBilalの歌声に感動しました。1時間半のライブが終わり外にでて時間を確認すると深夜1時!初めて訪れたBlue Noteニューヨーク凄かったです!

10/4 Soul In The Horn @ Chelsea Music Hall 

ヒップホップ史上最も重要なブレイクスをコンパイルしたブレイクビート集『Ultimate Breaks & Beats』のBreakbeat Lou御大からDJするから遊びにおいで!というお誘いを受け、ニューヨークで話題のSoul In The Hornというパーティにも遊びに行ってきました。客層は全体的に年齢層高めで、ニューヨークのヒップホップ・オールドスクール期を生で体験してきたであろうOG系の50代世代、20代〜40代ぐらいのブレイク・ダンサー集団、デート帰りにちょっと踊りに来ましたというようなカップル、筆者のような観光客といった感じでした。

会場につくとBreakbeat Lou御大がDJプレイ中だったのですが、ステージの上にはサックス、トランペット、フルートの管楽器プレイヤーがいました。何だろう?と思いきや、入れ替わり立ち代わりでBreakbeat Lou御大のプレイするオールドスクール〜90年代ヒップホップ楽曲に合わせて管楽器プレイヤーがインプロ演奏!?これが「Soul In The Horn」ということなのでしょうか!?

Souls Of Mischiefの「93 ‘Til Infinity」、Pharoahe Monchの「Simon Says」、Smif N Wessunの「I Shine, You Shine」のインプロ演奏がとても素晴らしく興奮しました。特にフルートの男性がドープです!オーディエンスもいつもと違ったアレンジのヒップホップを楽しめ、管楽器プレイヤーも演奏のスキルが鍛えられるという相互に嬉しい空間で、ドープな演奏に拍手喝采で盛り上がる場面もありました。

ライブバンドの準備が整う頃には、Breakbeat Lou御大がプレイする楽曲でバンドがゆるくジャムセッション!このトランペッターやばいなと思って見ていたら、Anderson .PaakのバンドThe Free Nationalsでも活躍しているジャズ・トランペッター、Maurice Brownでした!

ライブはRevive Musicが「ニューヨークのジャム・セッション・トップ5」のひとつに選んだというジャム・セッション”The Shed NYC”のオールスター・バンド!Robert Glasperと頻繁にコラボレーションし、昨年Ropeadopeからデビューアルバム『KAEPtain Amerikkka』をリリースしたAnu Sun率いるこのバンドの演奏も、ヒップホップとジャズを交差するようなライブで非常にドープでした!おそらくキーボードの方は日本人の方だと思われます。ふらっと遊びに行ったパーティでしたが、カバーチャージ無しでこれだけのクオリティ!なかなか気の抜けないニューヨークのナイトライフでした。

Q-Tip: The Collection @Bonhams

ニューヨーク在住のDJ CUTBIRD君からQ-Tipが所有している現代アートコレクションが一般公開されているという情報を聞きつけ最終日ギリギリにオークションハウス、ボナムスに行って来ました。Q-Tipの現代アートコレクション一般公開は、今回が初めてで、Q-TIP自身が個人的にも職業的にもインスピレーションを受けたというアート作品が多数展示されていました。

70年代からグラフィティ、ヒップホップ、映像、アートの分野で活躍し「Yo! MTV Raps」のホストとしても有名なFab 5 Freddy!最近ではNetflixのウィード・ドキュメンタリー『Grass Is Greener』のクリエイティブ・ディレクターやGang Starr Feat. J. Coleの「Family and Loyalty」のMVのディレクションもつとめています。そんなヒップホップのパイオニアがアートの分野でも才能を発揮していて驚きました。

William VillalongoHebru BrantleyTorey ThorntonLarry ClarkNina Chanel AbneyHarmony KorineJeff ElrodHassan Hajjajといった現代アーティストに加え、A Tribe Called Questの最終作『We Got It From Here… Thank You 4 Your Service』のアルバムカバーにも起用されたRichard Prince草間彌生の作品も展示されていました。

Andres@The Lot Radio

デトロイトのDJ DEZ (ANDRES)もニューヨークにいるという情報を聞きつけハングアウトしてきました。ブルックリンにある空き地に貨物コンテナをDJブースにしたブルックリンにあるラジオ局THE LOT RADIO!お天気の良い週末の午後に、屋外で音楽を聴きながらいただくコーヒーは最高でした。Moodymannのレーベル、Mahogani Musicから8年ぶりの4thアルバム「ANDRES IV」絶賛発売中ですので、是非チェック!

久しぶりのニューヨークでしたが、アートや音楽、カルチャー・シーンは相変わらず刺激的で、まだまだ面白いことをやっている人が沢山いるんだなという印象でした。特にSoul In The Hornのパーティは、バンドのジャムセッションとヒップホップのオールドスクール・パーティが上手い具合に融合されていて、画期的だなと思いました。まだまだ侮れないニューヨークでした!

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