KERO ONE インタビュー


2004年の「Keep It Alive!」というシングルでアンダーグラウンドヒットを飛ばしたサン・フランシスコ在住のコリアン・アメリカン・ラッパー/プロデューサーKERO ONEが2月に来日!彼自身のレーベルPlug LabelのサポートでYAPPARI HIPHOPが突撃インタビュー!彼の音楽へこだわりもさることながら、インディペンデントアーティストとしてのDIY精神や考え方に感銘を受けたインタビューでした。要チェック!

– MCとプロデューサー業を始めたきっかけは?

ヒップホップが大好きで、ある日MCバトルを観て、自分も挑戦してみようかなと思ったんだ。それからしばらくやり続けていたんだけど、当時プロデューサーの知り合いが誰もいなくてトラックを手に入れる事ができなかった。Youtubeといったメディアも無かったからね。そこで、自分でビートも作ろうと思い立ったんだ。楽器屋に行って機材の使い方やビート制作方法を教えてもらった。それで、2001年にアルバムが出来たんだ。

– 作品のインスピレーションは何ですか?

人生に関わる全ての事だよ。俺はストーリーを語るのが好き。でも、ひとつの方法で何かを伝えるのが好きじゃないんだ。皆が考えてしまうような言い回しでストーリーを語りたいんだ。例えば、「彼女はいい体つきをしている」と言いたいとするでしょ。「彼女のボディはセクシー」っている言う代わりに、「身体が線を強調している」って言うんだ。別の言い方で物事を表現すると面白いよね。

– プロダクションに関して影響を受けた人はいますか?

いっぱいいるよ。DJ プレミア、カニエ・ウェストと韓国のユニット、エピック・ハイかな。

-サンフランシスコで育ったとのことですが、アジア系のアーティストが多いのですか?

俺は韓国系アメリカ人の2世で、俺がラップを始めた時は他にアジア人のアーティストはいなかったよ。マウンテン・ブラザーズとShingo2くらいかな。今はアーティストいっぱい居るけどね。

– 日本のヒップホップの印象は?

初めて聴いたときは、ぶっ飛ばされたよ!Mitsu The Beatsのサウンドは本当にユニークだと思う。今では彼がやっているサウンドを他のプロデューサー達も真似して作る事は出来るけどね。誰かの真似をした音楽より、オリジナルの音楽の方が絶対いいでしょ。

– 好きな日本のヒップホップアーティストは?

GAGLEだね。あとCradle OrchestraとDJ Deck stream、DJ TONKが好きだね。

– 現在の西海岸のヒップホップ・シーンの状況を、どう感じていますか?

うーん、表現するのが難しいけど、西海岸アンダーグラウンドのクラブには久しく行っていないね。ヒップホップ・クラシックスやソウル、ファンクなんかの音楽を楽しめるパーティには行くけど、フリースタイルのセッションをやるようなアンダーグラウンド・ヒップホップのイベントには行かなくなったね。今はYoutubeで観れるし!

– ズバリ!インディペンデントアーティストでやってく秘訣は?

今はインターネット何でも調べて学べることができる。YoutubeもTwitterもあるし、もし君が独立系のアーティストでパソコン持っていて、何もしていなかったら、創作活動はただの趣味だよね。予算が無いとか言うのも、ただの言い訳だと思うよ。笑 クレジットカードでCDも作れるしさ。俺は常に勉強してリサーチしてる。

– 何度も質問されていると思いますが、何故ケロワンという名前なんですか?

ラップを始める前はグラフィティ・アーティストだったんだ。音の響きがいいから、この名前にしたんだ。一般的な名前じゃないし、インターネットで検索した時に簡単に俺の情報を見つけることができるから、この名前にして良かったと思っているよ。「ケロ」に意味は無いんだ。ただ響きがいいなと思って。「ケロ」がカエルの事だって言うのは日本の皆だけだよ。(笑)

– 日本のファンの皆さんにメッセージをどうぞ!

インタビューを読んでくれてありがとう。そしていつも応援ありがとう。音楽をやり続けて、日本のヒップホップのために何かして欲しいって思う。Nujabesが亡くなって、ヒーローがいなくなったから、次は誰かな?って。

[2012/02/04 渋谷 ]


KERO ONE
https://twitter.com/#!/keroone
http://www.facebook.com/kerouno
http://www.youtube.com/keroonetv

サンフランシスコ在住のコリアン・アメリカン・ラッパー/プロデューサー/DJ。2005年にリリースされたファースト・アルバムでは、楽器の演奏からラップ、サウンド・エンジニアリングに至るまで全てを担当し、Remix誌で年間ベスト・ヒップホップ・アルバムに選ばれ、iTunesのヒップホップ・チャートの上位を占め、世界各国でツアーを行った。2009年、セカンド・アルバム『Early Believers』を発表。アルバムは数多くのヴォーカリストをフィーチャリングしているが、なかでもジャイルス・ピーターソンが大絶賛するUKのシンガー、ベン・ウェストビーチ、“フィンランドのスティーヴィー・ワンダー”と称されるトゥオモが参加している曲などが聴き所だ。ソウルフルでジャジーなトラックの数々と、アップビートでシンセ主導のパーティー・チューンの間を行き来し、ケロ・ワンの作詞家、作曲家、ヴォーカリスト、そして編曲者としての成熟ぶりが伺えるアルバムとなった。2010年にリリースされるサード・アルバム『KINETIC WORLD』は、“動的世界”と題されたタイトル通り、進化・変化し続けるアーティストの現在が切り取られたようなフレッシュでカラフルな新作は自身で運営するPlug Labelから。ゲストにオセロ、ダムファウンデッド、そして韓国の大人気HIPHOPユニットであるエピック・ハイからタブロ、Mykが参加。

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