[Special] Ab-Soul / Control System

2012年5月12日にTop Dawg Entertainmentからリリースされたアブ・ソウル(Ab-Soul)のアルバム「Control System」は、ゲットしましたでしょうか!?大量にリリースされるヒップ・ホップ作品の波に飲まれそうな毎日ですが、私は個人的に彼のリリックとその解読にめちゃくちゃハマっており、激プッシュするためにスペシャル記事をアップ!


サングラスをめったに外さないアブ・ソウルことアブソ君は、カリフォルニア州のカーソン出身で、2009年にサウスセントラルにて結成されたケンドリック・ラマー、スクールボーイ・Q、ジェイ・ロックとアブ・ソウルによる4名グループ、ブラック・ヒッピー(Black Hippy)のメンバーです。ということで、彼のソロ作品でもTDEファミリーであるケンドリック・ラマー、スクールボーイ・Q、ジェイ・ロックや、TDE(Top Dawg Entertainment)クルーと頻繁にコラボしているシンガー、ジェネイ・アイコやBJ・ザ・シカゴ・キッド、ダニー・ブラウン、故アロリ・ジョーなどが参加しており、各メディアからは高評価を受けておりますが、頭を使って理解しなければならない部分と人間味あふれるビューティフルな部分もある素晴らしい作品です。

Ab-Soul / Control System

XXL ★★★★☆
HipHopDX ★★★★☆ (4.5/5)
Pitchfork Media ★★★★☆ (8/10)
DJBooth ★★★★☆
Exclaim ★★★★☆ (8/10)
Prefix Magazine ★★★★☆ (8/10)


『Empathy Feat. Alori Joh & JaVonte』
アルバムの裏カバーに「Dedicated to the beautiful soul of Loriana Angel Johnson aka Alori Joh」と明記されているように、この作品は、ケンドリック・ラマーの「HiiiPOWER」やTDE関連作品へ参加していたシンガー、故アロリ・ジョーに捧げられています。ビデオでも出てきますが、今年2月に25歳の若さで亡くなった彼女はアブソ君のガールフレンドでもありました。音的には、このGサウンドたまりません!


『Terrorist Threats ft. Danny Brown & Jhene Aiko』
これキター!ジェネイ・アイコの「Kick your game, spit your flow. Can’t fuck with this Top Dawg shit though」という呟きで始まる『Terrorist Threats feat. Danny Brown & Jhene Aiko』ですが、客演もビデオも作品も超ドープ過ぎます!アブソ君はお金を燃やしております。本当のエネミーに気付け!というウェイクアップ曲だと思います。


『Black Lip Bastard』
アブソ君は、10歳の時にスティーブンス・ジョンソン症候群にかかったそうです。高熱と共に全身が火傷のように焼けただれ、やけどの症状がでる病気で、唇に黒いやけどの跡ができました。そのため、『Black Lip Bastard』(黒い唇野郎)というタイトルがついています。人々は何かの吸いすぎが原因だと思ってしまうそうですが、「オレ、高校卒業するまで吸ってもないし!」とのことです。


『The Book Of Soul 』
こちらの曲はヒップホップ界隈だけでなく、多方面からプロップスがあげられてもいい名曲だと思っています。「マヤ人は嘘ついてないと思う。2012年 俺の世界は終了した」というラインは、今年アロリ・ジョーが亡くなり、彼女が彼の全てだったこと、マヤ・カレンダーが2012年で終わってる=世界の終わりという事でディープすぎる。凄くエモーショナルなライムとBobby McFerrinの「Moondance」をサンプリングしたトラックに グッときてしまいます。

Don’t be dethroned by these systems of control
Just keep your fingers crossed and get them locks off your soul

同クルーのケンドリック・ラマーのHiiiPowerムーブメントしかり、アブ・ソウルのアルバムのカバーアート、リリック、ビデオの内容など通しても、とても一言では語りきれないくらいの情報が詰まった作品ですが、この曲最後の2ラインがアルバム「Control System」を要約していると言っても過言じゃありません。深くリリックを探るにはタイミングよくアップされていた、rev3.11™vol.2の「AB’s C ~TDEの秘密兵器、アブ・ソウルの見解~」 をお読み頂ければと思います。

プロダクションは、下記のTDEプロデューサー達Digi+Phonics、テキサスのSore LosersのKing Blueや、シカゴのNez & Rio、プロデューサー・チームThe Weirrd People の方割れSkhye Hutch、アブソ君と同郷のMC兼プロデューサーCurtiss King、他のブラック・ヒッピー・メンバーにも楽曲を提供しているスウェーデン人プロデューサーTommy Blackが参加しております。

Sounwave (of Digi+Phonics)
Tae Beast (of Digi+Phonics)
Dave Free (of Digi+Phonics)
Willie B (of Digi+Phonics)
King Blue (of Sore Losers)
Nez & Rio
Skhye Hutch
Curtiss King
Aahyasis
Tommy Black

ということで、少しでも気になった方はiTunesや下記Amazonで購入し、アブソ・ワールドを堪能して下さい!

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