#BlackLivesMatter ってなに?

#BlackLivesMatter ってなに?

2020年5月25日にアメリカのミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に殺害された事件を発端に、今アメリカ全土で行われているブラック・ライヴズ・マター抗議運動。日本でもニュースやソーシャルメディアを通して広がり、この運動をどう捉えていいのか分からないまま、抗議運動での警察との衝突や町が燃えている映像を見て、混乱している人も多いかと思います。筆者もその中の1人です。本記事では、「ブラック・ライヴズ・マター運動」にフォーカスし、今までの流れや情報を整理してみました。急いで書いたので誤情報などありましたら、お知らせ頂けると大変助かります。


ブラック・ライヴズ・マターとは?

ブラック・ライヴズ・マターはアメリカの黒人が始めた国際的な人権運動で、黒人に対する暴力や人種差別に反対する運動を展開しています。警察による黒人の殺害、人種的プロファイリング、警察の残虐行為、米国の刑事司法制度における人種的不平等といった幅広い問題に抗議しています。(米Wikipediaより)


ブラック・ライヴズ・マターの本当の意味とは?

まず、ブラック・ライヴズ・マターの意味を検証したいと思います。ニューヨーク在住のライター堂本かおるさんのブログからの引用です。

Black Lives Matterは直訳すると「黒人の命 “は” 大切」となるが、これでは本当の意味と背景が分からない。この言葉が表しているのは、「これまで人種差別と白人特権により白人の生命のみが尊重され、黒人はいとも容易く殺されてきたが、黒人の生命 “も”また、同等に大切なものだ」という主張だ。

アメリカにも「黒人たちが『黒人の命 “こそ” 大切』と主張している」と解釈し、「黒人の命 “だけ” を取り立てて重要とするのは逆差別」「全ての人種の命が等しく大切であり、つまり”All Lives Matter”だ」との声がある。この類いの発言は黒人が置かれてきた、今も置かれている位置を理解しない層の口から出ることが多い。

警官たちもブラック・ライヴズ・マターという言葉を嫌う。ブラック・ライヴズ・マター運動の目的は「警察暴力」という構造的な現象への抗議だが、デモ現場ではデモ参加者が警官にカースワードを投げ付け、中指を立てることもある。デモを阻止しようとする警官隊と参加者がぶつかり、双方に身体的な危険も付きまとう。そして今回、警官12人が狙い撃ちされ、5人が亡くなるという最悪の事態が起ってしまった。

「ブラック・ライヴズ・マター」という言葉は何を意味するのか

ここが一つのキモだと思います。「ブラック・ライヴズ・マター」には直訳以上の意味が含まれています。なので、「黒人の命 “は” 大切」と認識してしまうと、いろんなズレに繋がります。その認識のズレが生んだハッシュタグが、主に白人ユーザーがソーシャルメディアで使用している「すべての命が平等で大切」と主張する#AllLivesMatter、警察官の#BlueLivesMatterなどです。


ビリー・アイリッシュやセス・ローゲンによる「オール・ライヴズ・マター」批判

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この「オール・ライヴズ・マター」のハッシュタグに対して、ビリー・アイッシュが塾考した上で怒って批判していた発言も話題になっていますが、彼女は、「オール・ライヴズ・マター」と声をあげている人たちに対し「もし“全ての命が重要”なら、何で黒人は黒人であるだけで殺されてるんだよ?」と、勘違いするのもいいかげんにしろよ!と声をあげました。

カナダ出身のコメディアン、セス・ローゲンのインスタグラム活動も話題になっています。ビリー・アイリッシュと同じく「オール・ライヴズ・マター」のハッシュタグをつけてコメントを返す白人ユーザーに対して「もう俺の作品見るな!ファックユー!」「フォロー外せよ、ファックオフ!」、フォロー外したというユーザーには「オッケー、ファックオフ!」という独自の活動を繰り広げていました。


ブラック・ライヴズ・マター運動のはじまりと一連のながれ

このブラック・ライヴズ・マター運動のはじまりと、ここまで大きくなった社会運動のおおまかな流れを検証していきたいと思います。

トレイボン・マーティン射殺事件

2012年、フロリダ州サンフォードで当時17歳だった無防備の黒人少年、トレイボン・マーティンが、ヒスパニック系の混血である自警団のジョージ・ジマーマンに射殺されました。ジョージ・ジマーマンは、2013年に殺人罪で起訴されたが、正当防衛の主張が認められて無実となりました。その後、ソーシャルメディアで「#BlackLivesMatter」のハッシュタグと共に始まったのがブラック・ライヴズ・マター運動です。

この運動は、アリシア・ガーザ、オパール・トメティ、パトリス・カラーズという3人の黒人女性達が発起人です。そして、この3人はトランス・ジェンダーです。彼女達はコミュニティのオーガナイザーのためのリーダーシップ育成プログラムで出会いました。

#BlackLivesMatterハッシュタグの誕生

トレイボン・マーティン射殺事件でのジマーマンの無罪判決を受け、アリシア・ガーザが同胞に向けてTwitter/Facebookでメッセージを発信しました。そこに「Our Lives Matter, Black Lives Matter」というラインがありました。そこにパトリス・カラーズが「#BlackLivesMatter」というハッシュ・タグをつけて返答し、オパル・トメティも賛同し、ブラック・ライヴズ・マター運動がTwitter/Facebookを通したソーシャル・メディア活動として誕生しました。

ブラック・ライヴズ・マター・グローバル・ネットワーク組織の発足

2013年には、アリシア・ガーザが中心となり、ブラック・ライヴズ・マター運動のルールや目標の共有を目的としたオンラインプラットフォーム「ブラック・ライヴズ・マター・グローバル・ネットワーク」という組織を発足しました。それから既存のローカルな団体や新しく発足された団体が連携し、現在ではアメリカ各地とカナダに16支部をもつ組織になっています。また、アリシア・ガーザは「この運動に誰が参加していて、参加していないのか」という監視を促すものではないとコメントしています。

ブラック・ライヴズ・マターの活動領域をソーシャル・メディアから現実世界に広げた

2014年には、ニューヨーク州のスタテン・アイランドでは警察官が逮捕時に絞め技を使用し窒息死したエリック・ガーナー事件、ミズーリ州ファーガソンでマイケル・ブラウン射殺事件が立て続きに発生します。

2014年の8月、ブラック・ライヴズ・マター・グローバル・ネットワークのメンバーは、マイケル・ブラウン射殺事件を受けミズーリ州ファーガソンで「ブラック・ライヴズ・マター・フリーダム・ライド」という初の非暴力抗議運動を指揮し、活動領域をソーシャル・メディアから現実世界に広げました。ソーシャル・メディアでこの抗議運動を目撃したパレスチナ人がTwitterで「催涙スプレーの対処法」をアドバイスするということもあったそうです。

50年代〜60年代の社会運動にヒントを得た活動と他組織との連携

アメリカの黒人コミュニティでは、50年代に公民権運動、60年代にはブラック・パワー運動、黒人フェミニスト運動など、大小沢山の社会運動が起こり、当時多くの指導者や組織団体がいました。ブラック・ライヴズ・マターの発起人メンバー達は、これら先代たちの社会運動に加え、ヒップホップ、LGBTQのムーブメント、2011年に起こった「ウォール街を占拠せよ」の抗議運動からインスピレーションを受けたと語っています。

それから、ブラック・ライヴズ・マター・グローバル・ネットワークは何千もの抗議運動やデモを指揮して今に至ります。それと並行して、既存の団体や新たに発足された団体組織がブラック・ライヴズ・マター・グローバル・ネットワークと連携をはじめました。また、ブラック・ライヴズ・マターの発起人の3人がトランスジェンダーということで、LGBTQをサポートする団体、黒人女性フェミニスト団体も連携しています。

※連携した主な諸団体

HandsUp United ※ミズーリ州ファーガソン
ハンズ・アップ・ユナイテッドは、ミズーリ州ファーガソンを拠点とする社会正義活動家組織で、警察官によるマイケルブラウンの致命的な銃撃の後に結成されました。この組織は、マイケルブラウン事件の正義と全国的な将来の事件の防止、さらには警察への説明責任と全米の警察と司法省の透明性の向上を求めています。

The Organization for Black Struggle ※ミズーリ州セントルイス
ブラック・ストラグルは、1980年に設立されたミズーリ州セントルイスを拠点とする活動家団体です。この団体は、「アフリカ系アメリカ人コミュニティ、特に黒人労働者階級の政治的エンパワーメント、経済正義、文化的尊厳」を求めています。(Wiki自動翻訳より)

Dream Defenders 
ポリシーの一部として警察と刑務所を終わらせることを目的としたアメリカのグループであり、多民族の組織化などの目標を共有する有色人を対象としています。彼らは、刑務所、警察を終わらせ、自由と安全の概念を再定義することによって、学校から刑務所へのパイプラインを終わらせることを支持しています。(Wiki自動翻訳より)

Black Youth Project / BYP100  ※シカゴ
米国のアフリカ系アメリカ人の青年組織です。その活動には、コミュニティの組織化、有権者動員、および黒人、フェミニスト、そして奇妙な問題に焦点を当てたその他の社会正義キャンペーンが含まれます。(Wiki自動翻訳より)

Million Hoodies Movement for Justice ※ニューヨーク


良くも悪くも効力を発揮するソーシャルメディアのハッシュタグ

ここ日本でも「#安倍やめろ」「#検察庁法改正案に抗議します」のハッシュタグがソーシャルメディアに溢れました。2014年に始まったブラック・ライヴズ・マター運動も、ソーシャル・メディアとハッシュタグを駆使したことで、ここまで大規模かつ世界的な社会運動に発展しました。しかし、このハッシュタグがユーザーを困惑させる出来事や様々な現象を引き起こしています。

まず、#BlackLivesMatter(#BLM)が、抗議運動を指すのか、団体を指すのか、文字通りのただの主張なのか、投稿の文脈によって、いろんな解釈が可能なため、ユーザーが混乱しました。

当初は、アメリカの黒人が「警察暴力への抗議」として使われ始めたハッシュタグですが、警察暴力の他に、日常的なポリス・ブルタリティ、レイシャル・プロファイリング、黒人の大量投獄、刑務所問題、人種差別、社会格差、人種資本主義などあらゆる社会問題のトピックに使用されているため、常に進化と派生を続けています。今や日本や海外では「人種差別抗議」を指すものになりつつあります。

また、6月2日(火)にアメリカのアトランティック・レコードのマーケティング部の黒人女性ジャミラ・トーマスさん等を中心に、音楽業界での抗議運動として営業停止を呼びかけた「#TheShowMustBePaused」が広がりました。そこから派生して、ブラック・ライヴス・マター運動のサポートとして、SNSユーザーがインスタグラムやFacebookなどを中心に黒画面を投稿する「#BlackoutTuesday」が起こりました。

このブラックアウト・チューズデーでは、ブラック・ライヴス・マター運動のサポートということで、黒画面に「#BlackLivesMatter」のハッシュタグが付けられ、ソーシャルメディアを抗議運動の情報ソースとして活用している人たちがハッシュタグで検索をすると黒画面ばかりで、有益な情報を得ることができない状況を作り出してしまいました。


<6月5日時点:とりあえずの筆者的なまとめ>
※筆者の個人的な見解になります。

日本にいるとアメリカの全部のニュースが入ってくるわけでもないので、コロナ渦中に、白人警官に殺害された事件を発端に、いきなりアメリカ全土で暴動が起こったように見えたひとも多いと思います。2014年にブラック・ライヴズ・マターの非暴力の抗議運動が始まった後も、無防備な黒人が警官に殺害される事件は頻繁に起こり、様々なコミュニティ団体が連携しアメリカ全土で何千もの抗議運動が行われてきたという背景がありました。そして、2020年5月25日夜から、ミネアポリスを始め抗議運動と共に暴動や略奪といった出来事がアメリカ全土に拡大し今に至ります。

昔から「革命はテレビには映らない」のですが、メディアの報道に関しても、情報操作が見受けられ、この抗議運動に参加している人たちは良くも悪くもソーシャルメディアを駆使しています。町に置かれた謎の大量のレンガ、#BlackLivesMatterとスプレーで店舗の壁に落書きをしたり、暴徒化を誘導する当事者の黒人ではない人たちが各地で目撃されています。ネット・リテラシーなど色んな罠(Set Up)にハマらず、情報を見極めながら生きるって大変だと思いました。しかし、今後もずっと必要なサバイバル・スキルです。

アベコロナでは、政治に関わることの重要さを改めて痛感し、アメリカ国内でも「勉強しなさい、間違えてもいい、互いに学んで成長しよう」といった言葉をよく見るみます。色んなことに関心をもって学んで知識を武器にしていくことの大切さを改めて感じました。ヒップホップの先人達、OG(大爺)たちが、「Each One Teach One」と口癖のように言ってたのを思い出します。

#BlackLivesMatter
#EachOneTeachOne

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